AppleにとってHTML5とは何なのか?

AppleHTML5 and web standards[1]というサイトが物議を醸している。HTML5 ShowcaseにはHTML5ならこんな凄いことができる的なサンプルがあるが、Safari以外のブラウザではブロックされていて、Safariのダウンロードを誘導するポップアップが表示されるのである。確かにその先にあるデモを完全に動作させるためにはSafariが必要かも知れないが、これはいかがなものかと思う。かつてのMicrosoftのようなやり方を彷彿させるものであり、非常に危険な印象を受ける。

オープン市場で競争原理を軸とする企業であるからには、勝つための戦略を持つのは当然であるにしても、Webの世界ではそれが露骨すぎてはいけない。Appleの製品と開発環境は確かにすばらしいが、囲い込み戦略は時代錯誤であり、今後のWebの発展を阻害するなにものでもないと思う。

もっとも、このHTML5 Showcaseと同じものはSafari Dev Center[2]からもアクセスできる。そこではSafari以外をブロックすることはしていないので、他のブラウザでデモを実行することができる。内容にあまり目新しさはなく、OperaのHaavard記事[4]によるとHTML5を利用しているのはvideoとaudioくらいなものだそうだ。確かにソースをみると、Typography, Gallery, TransitionなどはCanvasではなくCSS3の機能を使っている。HTML5がどこまでを指すかの違いといえばそれまでであるが。

いずれにしても、問題のページが、たとえSafari(あるいはWebKit)固有の機能を使っていたとしても、Safari以外をブロックするのはよろしくないので、速やかに解除して欲しいと思う。

参照記事