ぶらりと鎌倉カメラ散歩

先週の土曜日のこと。その日は穏やかな小春日和で、久しぶりにカメラをもって散歩に出かけた。どこに行こうか何も決めていないまま家を出て、下り方面の東横線になんとなく乗り、横浜で横須賀線に乗り換え、なんとなく北鎌倉で降りた。

円覚寺の仏たち


いつもは前を素通りするところであるが、ちょっとためらった後、円覚寺境内に入った。何年ぶりだろうか。紅葉の季節にはまだ早く、観光客はそれほど多くない。これまで敬遠していたが、日常とは異なった空間に浸れてなかなかよかった。山門はいかにも古刹という雰囲気がある。

奥の突き当たりにある黄梅院の中に、円空の仏にも似た素朴な荒削りの千手観音と地蔵菩薩が並んでいる。地蔵菩薩にはキノコが生えちょうど賽銭受けとなっていた。


百観音は、以前は別の場所にあったものをここに移動してきたらしい。


国宝の梵鐘という標識があるので、急な石段を登り弁天堂に着いた。国宝という割には特に変わり映えはしない。


長閑な山間の風景が見渡せる。写真をとっていると「あれは東慶寺でしょうかね?」と声をかけられた。確かにそのようだ。東慶寺より建長寺へ行ってみようという気になったので行った。

建長寺の眺望


建長寺円覚寺よりやや明るい雰囲気があり、観光客も多かった。三門は巨大だ。


こういうところはよく撮影禁止の文字があるが、それらしいものはなかったのでちょっと遠慮がちに撮ってみた。


どんどん奥に行き、半僧坊というところに向かった。突然、斜面に天狗がたくさん並んでいる。以前、見たことあるというデジャヴを覚えたが、確かにずいぶん昔に来たことあるかも知れない。


さらに上に行き、ハイキングコースの見晴台に出た。このハイキングコースは最初から最後まで何度か歩いたことがあるが、建長寺から上ったのは初めて。春霞のように遠くが霞んでいるため海がなんとか確認できる程度。


源氏山からハイキングコースを大仏方面へ


建長寺を出て、どうしようかと思って地図を見ると、北鎌倉方向へちょっと戻り、西に向かう細い道を行くと源氏山に行けそうなルートがある。初めて通る道は新鮮だ。ずいぶんと思った以上に岩だらけのゴツゴツした山道になってちょっと不安になったが源氏山公園の裏に出た。なるほど、こんなところに通じていたのかと思い、ついでなので銭洗い弁天に立ち寄った。いつも立ち寄るだけで、銭を洗ったことは一度もない。

弁財天から源氏山公園への急な坂道を戻り、ハイキングコースを大仏方面へ向かった。尾根伝いの山道は木々に囲まれているため景色が全く見えない。でもその方がよいのかもしれない。直ぐ近くの足元は住宅街だ。木々に囲まれていなかったら山の中を歩いているという感覚が薄れてしまうだろう。

ハイキングコースが終了し大仏トンネルの入り口に出る。大仏の近くはよく通るが、ここ3年くらい中に入っていない。いつものように観光客でごった返している。外国人もなかりの割合だ。大仏の中は大仏しか見るものがないのであまり興味がそそられない。


長谷駅方面に向かい、御霊神社に通じる細い道を右に曲がってしばらく行ったところの家の庭の柵に時計草が咲いているのを毎年見かける。西洋ではパッションフラワー(Passion Flower)と呼ばれている。日本人は放射状に伸びるめしべを時計の針に見立てたが、西洋人はキリストの十字架に見立てた。パッションとは情熱ではなく、受難の方の意味である。


極楽寺に立ち寄り、駅の前を通り稲村ヶ崎に向かった。


稲村ヶ崎の夕日


極楽寺から住宅の裏道を通って稲村ヶ崎に出た。ちょうど日没の10分前くらいだ。夕日が綺麗になり、アマチュアカメラマンとカップルでにぎわう季節になった。今日はあいにく空は霞んでいて富士山にも雲がかかっていて眺めはあまりよくない。

20歳くらいの若い女の子たちがびっくりするくらい高いカメラとレンズを持っているのをよく見かけるがうらやましい限りだ。カメラを買い換えようと思って既に2年近く経ってしまった。一眼なのに携帯に負けてるよ。今は、Nikon D7000が有力候補であるが、どうなることやら。


いつもなら、鎌倉駅まで歩いて帰るが、今日はちょっと疲れたため素直に江ノ電に乗って帰った。