高尾山・陣馬山ハイキング

一昨日の4/30のことになるが、初めて高尾山に登った。ミシュランで三つ星観光地になって外国人も大勢上っているのに、日本人でしかも日帰りできる距離に住んでいるのに、これはぜひ行ってどんなところか確かめてみようと突然思い立って出かけた。ほとんど予備知識もなく地図ももたず、9時に家を出る。立川で中央線に乗り換えて高尾駅京王高尾線に乗り換え、一駅先の高尾山口駅へ。情報源がないのはちょっと心もとないので、駅に備えてあるスタンプラリーの冊子を入手。一応地図が載っている。

ふもとからはケーブルカーかリフトが利用できる。

リフトの方が楽しそうなのでリフトに乗ることに。思っていたより空いている。リフトの途中で、どこの観光地にもあるような、写真屋さんが記念写真いかがですか?と声をかけてきた。一人だし、手を振って要らないと断る。

リフトを降りてしばらく歩くと、無料展望台があるので、ちょっと上ってみた。

展望台からの景色。晴れていたが霞んでいるので遠くは見えない。空気が澄んでいれば新宿の高層ビル群も見えるそうだ。下の方にケーブルカーがすれ違うポイントが見える。

たこ杉と書かれた大きな杉の木がある。道の邪魔になる根を切られそうになった杉が1夜にして根をぐにゃりと曲げたという言い伝えがあるそうな。

これが浄心門。「霊気満山」の文字が見える。ここは観光地以前に修験道霊場であることを改めて認識。門をくぐってまっすぐ行けば薬王院につながるが、つり橋を渡りたかったので、門の手前を右に曲がって4号路を行く。それにしても、いくら子供やお年寄りでも手軽に上れる山ということであっても、ベビーカーで赤ちゃんを連れて来ている人もチラホラ目にして驚いた。

4号路は人はそれほど多くないが、道が狭いので、追い越したり、すれ違ったりするときはちょっと脇によけなければならない。つり橋は想像していたのより短くて谷も浅い。でも、新緑の中で光が射して周りの風景がきれいだった。

しばらく歩いて山頂に到着。これが三角点。

小学校の遠足だろうか。子供たちが大勢でお弁当を食べていた。そのわきで、こちらもコンビにで買ってきたおにぎりをほおばる。

時間も午後1時くらいになったが、ここで引き返して帰るのはあまりに物足りない。駅でGETしたパンフレットによると陣馬山まで5時間かかると書かれている。陣馬高原下発のパス時刻表も載っているが17:25までしか書かれていない。それが最終ならとても間に合わない。バス停から最寄駅まで歩けるような距離じゃないし、地図も持っていないのでどうしたものかとしばらく躊躇していたが、行ける所まで行ってみよう、5時間というのは普通の人がゆっくり歩いての時間だろうから、急げばもっと早く着くだろうし、ダメそうなら、景信山というところまで行って引き返せばよいと決心。

しばらく歩くと、下記の展望台にでた。最近作られたようで真新しい木の床になっている。ところで、ここはどこだ?ネット上で写真を検索したが見つからなかった。小仏峠より手前の城山付近なのは確かだが正確な場所は記憶にない(おいおい)。

1km間隔程度で足元で見かける高尾山口と陣馬高原下までの距離を示す標識。

これが有名な(?)小仏峠信楽焼のタヌキ。なんでタヌキなんだ?

このあたりを過ぎると、人もほとんどいなくなる。ちょっと心細い。

景信山に到着。時間が遅い(といっても2時50分)せいか、人はパラパラといる程度。なめこ汁とかかれた小屋は閉まって営業はしていなかった。

歩き続け、ようやく明王峠に到着。ここまで人にすれ違ったのは3回程度。ただ一人黙々と山道を歩き続けた。

さらに約30分。やっと陣馬山山頂にたどり着いた。この馬を見たかったのだ。ちょっと変な形をした印象に残る造形。元々は戦国時代に陣張山と呼ばれていたのが陣場山になり、昭和30年、京王電鉄がこの地を観光地とするため馬の字をあてて陣馬高原と名づけたそうだ。この馬のモニュメントは京王帝都電鉄により昭和44年9月に建立されたと記されている。

晴れているが、霞んでいるため遠くは見えない。日も西にずいぶん傾いている。人もいない。静かだ。ぼーっと景色を眺めていたら、おじさんがシャッターを押してもらえませんかと声をかけてきた。馬と一緒に2枚撮った。どこから来たのかと聞かれ、横浜からと答えたら、それは随分遠くから来たねと驚かれた。横浜ってそんな遠いかなぁと思っていると、おじさん曰く「横浜にはしばらく行っていないが、巨大クモをテレビで見てね。見たかったけれど、もうやっていないかね?」と。開国博のプレイベントでもうそれは終わったと言ったら非常に残念がっていた。自分は近くで見たのでいろいろ教えたら、ほんと見たかったとさらに悔しがっていた。開国博はこれからだから、まだまだイベントはたくさんありますよと慰めてあげた。

ところで、陣馬山は東京都と神奈川の境界にあり、かながわ景勝50選のひとつ。50箇所全部行ってみたいと思っているので、これで1つ目的達成。

17:25のバスの時刻に間に合うかどうかわからないけれど、急いで下山することにした。馬が一人取り残されて寂しそう。

和田峠まで急な下り坂を下り、そこから延々と車道を歩いて、陣馬高原下のバス停に到着したのは17:40。間に合わなかったと思ったが、バス停で待つ人がいる。時刻表をみると、20:25が最終らしい。次は18:25。なんだとホッとし、近くのお店を覗いてみると、バス券はこちらでお求めくださいと書かれていて、おばちゃんが2人で缶ビールを飲んでいる。どう見てもお店の人じゃないので、戸惑っていると、お客さんだよ、と奥の方に声を掛けてくれた。バスの時刻まで時間があるので、こうして時間を潰しているのだそうだ。何回も来ているらしい。よかったら一緒にどうぞと誘われたのでビールを買って加わった。横浜から来たと言ったら、それは遠いところからとまた感心された(横浜ってそんな遠いかぁ?)。2人は武蔵村山からとのこと。ダンナはとうに定年退職しているくらいの年だろう。気の合う女同士2人であちこちいろいろ行っているらしい。あそこは良かった、今度はあそこに行ってみようとか、60くらいの年齢と思われるが非常に元気。うらやましい限りだ。

総括として、初めて行った高尾山・陣馬山ハイキングはめったに山歩きもしない自分にとって非常によい経験だった。今度はもう少し調べてからまた来ようと思う。